大阪カルチャー 和英辞典

1. せっかち ⇒ いらち(苛ち): Impatient

大阪弁 いらち

苛(いら) つとは「いらだつ・あせる」という意味で、苛ちとは「すぐにイライラする人・短気な人」。せかせかして落ち着きのない人や、我慢の出来ない様子を言うが、大阪にはこの「いらち」が多く、大阪駅の交差点には待ち時間をカウントダウンする信号機まで付いている。


2. ものもらい ⇒ めばちこ: Sty / Stye

大阪弁 めばちこ

発音は「スタイ」。医学的には麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と呼ばれるが、大阪的には「めばちこ」と、いかにも痛そう。め(目)+はち(もらう)+こ(接尾辞)から来ていると言う説もあるが、京都では「めいぼ」、広島では「めぼ」、そして宮城県では「ばか」...


3. 歌舞伎揚げ ⇒ ぼんち揚げ: Kabuki Rice Snack / Bonchi Rice Snack

大阪弁 ぼんち揚げ

日本の伝統的な演劇の「歌舞伎」と、日本古来のお菓子「せんべい」のコラボ。せんべいの包装袋に歌舞伎の舞台幕の模様を取り入れ、一枚一枚に家紋を刻印したものを「歌舞伎揚」と命名した。大阪では単にその形が山に囲まれた盆地に似ている所から。正式には「歌舞伎揚」・「ぼんち揚」と、両方とも「げ」は付かない。

盆地: Basin (ベイスン)


4. じゃあね〜 ⇒ ほなね〜: See you !

大阪弁 ほなね

親しい友人同士の別れの挨拶で「またね〜」的なニュアンス。ちなみにフランス語で「新年おめでとう」はBonne Annee ! (ぼなね〜 !) で、発音は大阪の「ほなね〜 !」と同じ。


5. ジャンケン ⇒ じゃいけん/いんじゃん: Rock-Paper-Scissors

大阪弁 いんじゃん

何かを多数決で決めたい時に、関東の人が「じゃぁジャンケンで決めようか」と言うや否や、周りの大阪人は間髪を置かず一斉に「いんじゃんホイ!」と猛スピードで仕掛けてくるのでビックリする。英語のジャンケンの石・紙・ハサミは日本語と全く同じ。「じゃんけんぽん!」はRock-Paper-Scissors, Go !


6. 動く歩道 ⇒ 歩く歩道: Moving walkway

大阪弁 歩く歩道

1967年(昭和42年)に日本で初めて設置されたのは「阪急の大阪駅」と呼ばれる梅田。エスカレータと同じく、急いでる人のために左側 (関東では右側) を空けるのは、この設備が楽をするのではなく、一刻も早く目的地に着くためのものという理由から。大阪では「歩く歩道」と呼ばれ、何か特別の事情でもない限りそこで立ち止まることは許されない。


7. キャンディー ⇒ あめちゃん: Drop

大阪弁 あめちゃん

大阪のおばちゃんのバッグには必ず入っていて、電車の中とかで「あめちゃん食べる?」と知らない人に。映画館でゴホン ! と咳でもしようものなら前後左右から飴玉が出て来る。スーパーでは見ず知らずの客に「お姉ちゃん、この缶詰おいしいで〜 !」とカゴに勝手に入れる。


8. アベノミクス ⇒ 阿倍野ミックス: Abenomix

大阪弁 阿倍野ミックス

2014年にオープンした300mの日本一高いビル・あべのハルカスで全国的に有名になった大阪市阿倍野区の名物はお好み焼きの「アベノミックス」。中身はトマト・タコ・スパムなどのミックス焼き。


9. えんがちょ ⇒ びびんちょかんちょ: Fingers crossed

大阪弁 えんがちょ

「えんがちょ」とは、穢れ (けがれ) の音読みの「え」を「ちょん切る」という意味。汚れを祓(はら) うために伝えられた昔からの厳粛な風習も、大阪では「びびんちょかんちょ !」と脱力モード。そして汚れが自分の方に来ないように発するのが「バリア〜 !」。子供である。英語の “Fingers crossed” は悪鬼を追い払って幸運を祈るというイメージ。


10. 違う違う ! ⇒ ちゃうちゃう ! : Nope !

大阪弁 ちゃうちゃう

大阪で女性2人の会話。「ちょーアレ、ちゃうちゃうちゃう ?」... 「ちゃう ! ちゃうちゃうちゃうわ」「ちゃわんて!」...翻訳しますと「ちょっとアレ、チャウチャウじゃない ?」 「違う ! チャウチャウとは違うわよ」「違わないってば !」

大阪英語ハンドブック より